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秘密の時間は私のもの

第32章 1ヶ月の出来事①

その暖かさは次は体全体を覆って。


驚き過ぎて、声も出ず、耳元で聞こえたのは



「.....嫉妬、したんだよ......
立川が、藤塚のことでそれだけ悩んでるってことに」



そんな声。


なんとも弱々しいその声音に、僕の胸にギューンと何かが押し寄せた。


振り向こうとするが、僕を抱き締めていた手はいつの間にか、僕の顔を掴んでいて。



「ちょ、うえ、の!離して!!ねぇって!!」

「うるせぇ!!前向いてるって言ったろーが!」

「それとこれとは話が!」



さっきまでのもやもやも、亞のこともあっという間に遥か彼方。


薄情だとも思うけど、こんなの吹っ飛ばない方がおかしい。


心中でそんな自分に、やっぱり僕は上野だけが


そう思うけど、葉結ちゃんは僕のそんな都合の良さを、許してはくれないらしかった。


ぱたんとわざと音を鳴らし、ノートを閉じた葉結ちゃん。


僕も上野も妙なじゃれあいを止め、葉結ちゃんに注目する。



「ずっと見続けるのもまた一興ですが
各々の問題を解決しなければ、本当の意味でイチャつけません
と、いうことで」



「問題撲滅運動、只今より、開始致します!」



ビシッと天に向かって指差す葉結ちゃんを


僕と上野は呆然と眺めていた。

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