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秘密の時間は私のもの

第32章 1ヶ月の出来事①

上野は優しいから、そう言われてしまえば


すとんと落ちるものもあるわけだけど。


もやもやもやもや....結局、ぱっとしたものは浮かばず


どこかの誰かよろしく、僕は葉結ちゃんに答えを求める、眼差しを送った。


葉結ちゃんはすぐにそれに気付き、ふぅと息を吐いた。


その眼差しは僕を見詰めず、その後ろ。


上野を見詰めているようで。



「教えてあげたらどうですか?
貴方のその、申し訳なさの理由を」



その言葉で、僕の視線は自然とまた、上野へと向けられた。


僕の顔をふと見、気まずそうに視線を逸らす上野。



「.......」

「.......上野...?」



じっと見詰め、呼び掛ければ視界がブラックアウト。


何事かと焦ったが、どうやら上野の手が僕の目を覆った様子。



「う、上野?あの、離してもらえると」

「離すから、前見ろ」

「え、でも、えと」

「ちゃんと言うから、前向けって」

「う、うん」



何故、上野がそう言うか分からないまま、僕は顔を前に向けた。


その時に、手ももちろん離れ、目が冷たい空気に晒される。


なんだか、それが少し寂しいと感じたのも束の間。

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