秘密の時間は私のもの
第34章 1ヶ月の出来事②
“.....嫉妬、したんだよ......
立川が、藤塚のことでそれだけ悩んでるってことに”
言っちゃってるじゃねぇかよ.....俺ぇ.....
だが、しかし。
今から弁解しても遅くない筈。
と、口を開こうとしてふと過ぎること。
そもそも俺って、なんで立川に伝えちゃいけないって思ったんだっけ?
両想いなのに、とことん伝えてはいけないと思った理由。
それっていうのは、確か藤塚の存在があったからで。
あいつが、意固地に言おうとせずその上、身を引こうとしてたから
同じ土俵にも立ってないのに、俺だけ抜けがけなんてって思ったからで。
でも、今、颯太は藤塚の気持ちを知っていて.....
同じ土俵に上がってるってことだよな?
じゃあ、別に弁明、要らねぇ様な気も....
そこまでじっくり丹念に考え抜いたのに
滝波という奴は、あっさりそれを無駄なものと知らしめやがる。
「颯太くん、知ってましたよ。貴方の気持ち
あの告白、聞こえてないとでも思ってたんですか?」
.....なん...だと...?
立川の顔を覗くまでもない。
見える耳は真っ赤で、そうですとはっきり答えていた。