秘密の時間は私のもの
第34章 1ヶ月の出来事②
今こうして嫉妬してたら、台無しか
「はぁ....」
大きめの溜息を吐き、目を瞑る。
1ヶ月の立川との思い出を振り返ることにより、気持ちを落ち着かせる。
浮かぶ、笑う顔、しょんぼり顔、ムッとした顔、嬉しそうな顔。
どれも愛しくて。
最後に浮かぶエロい顔に至っては、あらぬところが元気になり掛けてしまう。
そういえば、一度も入れていないんだった。
少しは藤塚が頭にいたからだろうか....
そうだとしたら、俺、まだ人間腐ってねぇんだけど
なんだか、根性が無かっただけのような気がしてならない。
「.....あー.....一回でも良いから、ちゃんとシときゃ良かった」
「ごもっとも」
そう言うなよ
男同士って結構かくg......
「!?」
1人の部屋。
聞こえる筈のない聞き覚えのある声。
俺は体を思い切り起こし、出入口に立つそいつを見やる。
「な!おま、な!?」
「何してるんですか?家の布団でゴロゴロなんて
そんなことしてる場合じゃないですよ
さ、早く。行きますよ」
どうして家を、とか、何で上がって、とか、どこに、とか
疑問は浮かびに浮かんだものの、滝波は聞かせてはくれず。
俺はそのまま、滝波に引っ張られるよう、家を出たのだった。