秘密の時間は私のもの
第34章 1ヶ月の出来事②
それからはただ1つ言われた指示。
『私が指示を出すまで、藤塚氏には2人ともなるべく姿さえ、見せないようにして下さい』
それだけを守って、過ごしていた。
『お2人は今後どうなるにしろ
今は恋人なんですから、普通に恋人、楽しんだらどうです?』
そんな言葉も共にもらったが、そう簡単に楽しめる訳.....
なんて。
昼は中庭で一緒に弁当食ったし
放課後は、互いに迎え合って、一緒に帰ったし
そのまま気分が乗っちゃった時は、送った方の家で扱き合った。
おまけに、実言うと、土日になれば、互いに誘い合い、デートもした。
えぇ、楽しみましたよ?
なにか?
だから、藤塚の存在を忘れてたって言うのは、あながち間違ってなくて。
滝波に、いつぞやの“借し”を使い
これを立川とのデートを名目に渡せと、遊園地のチケットを渡された時
“嫌”という気持ちが率先して前に出た。
俺の気持ちをすぐさま滝波は察知し
『“立川のもう一つの好き、立川が傷付かない様に”
貴方はそれをする為なら、何だってするのだと私は解釈していましたが?』
と俺を一喝。
そうだけど、とうだをまく俺自身を
頬を叩くことで戒め、俺はなんとか藤塚にチケットを渡せたのだ。