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秘密の時間は私のもの

第5章 見せてもらった 1






事後。


後ろでごそごそと着替えている颯太を待つ間に俺の目が捉えたもの。


それは、満足そうな顔をした滝波が持っているノート。


あれって......多分同人誌になるネタが書かれてんだよな.....


そのネタってのは俺らの情事のことなんだろうけど。


いつもならそんなに気にならないのに


なんだ?


今日はそのノートが、妙に怪しい光を放つ。


もしや俺、気になってんの?


自分の情事、どんな風に着色をされ書かれているのか?


.........ねぇよ。


どこの変態が自分の情事書かれてる文章見てぇんだよ。


ないない.......ない、ない......



「なぁ、それ、俺らに見せてはくれないのか?」



思いとは裏腹、俺の口はそう告げ、ノートを指差す。


滝波は1度、瞬きをすると困ったように笑った。



「え、っと......変態さんですか?」



てめぇには言われたくねぇよ!!


でも、傍から見れば今の俺は


自分の情事を文字でも見たい♥


などとほざく変態でしかないだろう。

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