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特別刑務所(仮)

第10章 風邪。

食器を片付け、下の部屋で寛いでいると九条が降りてきた。
辺りを見渡し何かを確認する。

「九条?」
「駒は?」
「帰ったよ。どうしたの?何かあった?」
「いや。」

そう言ってキッチンへいく。
冷蔵庫の開く音が聞こえ、その後に続く水音。

「あ、ごめんね。飲み物もうなくなった?」
「ん。」
「いってくれれば良かったのに・・・・」

九条は大きいボトルを抱えふらつきながソファーに座る。

「大丈夫?部屋戻れる?」
「ああ。問題ない。ただ、少し」

そう言って九条は俺に寄りかかる。
九条が熱を出してるのが良くわかるほどに熱い。
少し苦しそうに呼吸するその息が首元に当たる。


「辛そうだよ。布団戻ろうよ。」
「・・ああ。」

九条は重そうに体を引きずりながら二階へ上がっていった。

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