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特別刑務所(仮)

第10章 風邪。

「んんんー。んん、んんん!!」
「は?」
「んんんんんー!!」

九条は何を言っているんだと言う表情をむける。
俺はジェスチャーで伝える。
何となく理解したのだろう。九条はたいした事ではないだろと言い食事を続ける。
しばらく口のなかで処理しきれないコーヒーとホットケーキだったが、少しずつなんとか飲み込むことに成功した。

「九条のバカ!バカ!バカ!」
「俺はココアを差し出したのに間違えたのは瑠依だろ?」
「む!」

俺が不貞腐れていると九条はそそくさと食事を済ませ食器を片付ける。


「早くしろ。片付かない。それと学校だろ。迎えも来るぞ。」
「わかってるしー」

ふんっと九条から目を背けると昨日ほほに感じたものがまた触れる。
あー、九条だったんだ。
あのとき。
そう感慨に浸っていると頬に痛みが走る。

「な、なにふんだよ!」
「良く延びるほっぺだな。わかってるなら早くしろ。」

九条に頬をつねられ横に伸ばされる。

「ふぁふぁってる!たふぇふから!やめてひょー!いひぁいよ!」
「変な顔。」

ひど!
九条は引っ張るのをやめ俺に注いだコーヒーを飲み始めた。

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