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特別刑務所(仮)

第19章 駒場。

それは日本に帰ってから突然俺を襲った。
PTSD。日本名で心的外傷後ストレス障害と呼ばれるそれにより不眠が続き、突然的にフラッシュバックする戦争の映像。
原因不明の腹痛、頭痛、吐き気、悪夢が繰り返され生きている気力をうしなう。
だがそんな俺を、九条は支えてくれた。
九条だけじゃなく、戦争中失明した目を治してやった後輩。
九条と仲良くしてくれてた後輩にまで心配される始末。
そのお陰か日常生活に支障が出ないほどまで回復した。

でも、それでも一番大きな存在になったのは希沙だよ。
お前には一番ひどいところを見せていたよな?
お前がいてくれたから俺は今も、こうしてられるよ。

あれは俺にもついに特別刑務所ないでの仕事が回ってきたときの事だった。
希沙の経歴を知り異常なまでの怒りを覚えた。
この子は人として欠落しすぎているって。
これはどうにかしなくてはって
間違った方向を向いてたんだよな俺・・・

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