テキストサイズ

特別刑務所(仮)

第19章 駒場。

一年が過ぎようとした頃、後輩や同期の連中たちから鬼畜だとか、ドSだとか、怒らすと殺されるとかあらぬ噂をたてられ誰も側によるものがいなくなった。
ただ、それを気にする様子はなかった。とはいえ俺は相変わらず九条とは仲良くしていたし、なにより変わり者の後輩がよく九条にちょっかいを出していた。
そのときの九条は口調こそ怒ってるものの顔はどことなく嬉しそうだった。

そんな楽しい日々もあったが、そればかりでもない。何度か心を覆う闇に飲まれそうになった。その度に九条にお前は人を助けるだろ?と言われた。
その言葉が何度俺の心を取り戻してくれたか。
九条になんで殺さないと聞くと、俺はただ友を撃ち殺すのは嫌なだけだと言って絶対に銃口を向けることはなかった。

戦地に行き2年近くの月日が流れようやく俺たちの勝利とし、戦争が終わった。
ようやく長いトンネルからの解放と喜んだ。
だけどその喜びもつかの間。
俺はまた。
深い闇に覆われる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ