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ボードを見ると佐野の情報が書かれた紙が張られている。

「被験番号1053番、佐野練君。12月12日生まれA型。罪状詐欺罪にて15歳の時に逮捕。担当刑務官、木下章尭。」

校長はボードに張られる紙に間違いはないかと確認しながら読み上げる。


「君はここにきて3年と2ヶ月だね。」
「はい・・・」
「君の成績及び通常報告において君が反省をし社会復帰可能と認められたため、本日を持ち釈放となります。よく、がんばりましたね。」


その言葉に俺たちは時間が止まったかのような錯覚におさわれた。

「急なことで、驚いているだろう？だが、これは喜ばしいことなんだ。君が今後外でどう働くかそれによってよりこのプロジェクトはいきる。今日で最後だ。君たち3人は佐野君の見送りを許可する。」


何を言われているのか理解が追い付かない。
いや、理解したくない。が、正解かもしれないが、とにかくこの現状を受け入れたくなかった。