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特別刑務所(仮)

第21章 佐野。

とはいえ、雪の降る寒い季節。それだけはどうにも耐えられなかった。


「はー。刑務所生活も悪くないかな?ま、いざとなれば脱獄でもすればいい。」

そんな調子で適当に詐欺を働き、簡単に逮捕された。
ただ、俺の考えが甘かったと、直ぐにわかることになる。
俺が送り込まれたのは特別刑務所。
地下に作られた巨大刑務所らしい。


「なかでは犯罪さえ起こさなきゃ自由って・・・
犯罪者が集まってんのにばかばかしい。」

そんなことを、思いながら通路を進む。
やっとたどり着いた通路の出口。重いドアを開くと、そこには俺を待っていたと言う人がいた。
それが俺と章の出会い。


「ようこそ。練君。俺は木下章尭。君の専属刑務官。悪いことしたらお仕置きしちゃうぞー」
「・・・・・・」
「あれー?乗り悪いなー」

ニコニコ笑いながら、手続きしなきゃねーと、俺の背を押し歩く。

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