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特別刑務所(仮)

第21章 佐野。

「坊主今日から俺の事をパパって呼べ。いいな俺はお前を練と呼んでやる。」

やつの話から要約すれば、子供がいる方が大人のエゴ欲を煽るらしい。特に金持ちのおばさん。


「でも、日頃からパパって呼ぶ必要なんか」
「だから、バカだっていってんだよ!いいか?習慣ってのは癖になるんだよ。俺を普段からパパって呼ぶことでとっさの時に間違えないんだ!いいか、ここでは俺がルール。俺の言うのとは全部イエスだ!」

あまりにも横暴で突拍子もない発想をする人だが、天才的な詐欺師。
一度だけ俺も一人で山踏ませてもらった時に痛感した。
完璧なまでに言葉巧みに相手を惑わし、金を得る。
この人の言う通りに生きていけば俺は・・・

「え?」
「だーかーら、お前はもう一人で出来るだろ?」

いきなりのコンビ解消。
それは直ぐに理由がわかった。
俺が指名手配されたから。
詐欺師ってのは芋づる式だからなと、以前聞かされていた。

「もう、用済みってことか・・・」

とはいえ、技術はすべて叩き込まれている。
一人でも特に問題はなかった。

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