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ねぇもっと、、、。

第1章 人のもの


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家までの帰り途中。


わたしは電車に揺らされながら、携帯をいじっていた。


アドレス帳を開いて、


“田島 裕人”のところで、手をとめる。


田島 裕人。さっきのあわれな男だ。


さようならと言った時のあの男の表情。

まるで死んだ魚のようで、

いま思い出しても笑えてしまう。



わたしって悪女だなあ、と自分でもそれを認識してるからよけいタチが悪い。


とりあえず、

あの男、もう必要ないな。


(削除しますか?)

画面に出てきた文字。


すぐさま、はいを選択し、

田島裕人をメモリから消去した。



と、同時にふうと息を吐いて、揺れる窓の外を
ぼんやり眺めた。


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