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削られる命

第3章 妹




医師から死の宣告を受けた妹は
日に日に衰弱していく。


削られていった命を戻したい。
そう思っても私にはどうすることもできない。


毎日辛い治療を受ける彼女は
この苦しみから解放されたいと願う。


しかし、一秒でも長く生きて欲しいという
両親の願いが彼女の願いを否定する。

彼女の願いも、両親の願いも
ゴールを見据えた選択だ。


交錯する2つの願い───

私はただ黙ってどちらの願いが優先されるのか
見守るほかなかった。





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