削られる命
第3章 妹
妹が大切だからと
延命を望む私達の両親。
だけど、本当に大切なのならば
その望みは正しいのか…
もちろん、私も妹が死ぬのは辛い。
しかし、ゴールはもう彼女の目の前にあるのだ。
延命してもそんなに長くないことは
両親もちゃんと分かっているはずだ。
苦しみを更に伸ばすことが彼女の為…?
まだ笑みを浮かべる元気があるうちに、
笑顔で送りだしてあげるべきじゃないのか。
私の意見に泣き崩れながらも納得した母親。
最後まで認めないと怒り続けた父親。
でも、最後は妹に決断させた。
今思えば死の決断を本人にさせるのは酷だったかもしれない。