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片思い

第10章 固想い


いや…

あたしには富岡くんしかいないの。
富岡くんじゃなきゃダメなの。
だめ。


あたしから富岡くんを奪わないで。


廊下に飛び出した。


富岡くんを奪われたくない。
ただその1つの想いが私を動かした。
全てを怖がりすくんでいた足は
今は廊下をかけている。

富岡くん…
もぅこれ以上あなたと離れるのは嫌なの!

「ハァ…ハァ…」

どこ…?
どこにいるの…

「ハァハァ…どこ…」
学校じゅうを走り回る。
放課後だから人は少ない。

「帰っちゃったの?…」

いや…
そんなの間に合わない。


ねぇ、れいって呼んで…
私の大好きなあなたの声で
私の名前を呼んで。

もぅ、あなたなしの生活なんて
考えられないよ。
あなたが他の誰かと手を繋ぐなんて
考えたくないよぉ…

「いや…いやぁー…」
焦りが、ピークになる。
自分でも何がなんなのかわからない。

ただ1つ言えること。

あなたに…会いたい…

伝えたい…


「ふぇ…っう…うぅ…」

涙が頬を流れる。
でも泣いてる暇なんてない。

早く…早く…


富岡くん…

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