甘えさせて…
第1章 出会いは
─────…
いよいよクラスマッチ当日。
運動があまり得意じゃない私は
朝からドキドキしてたけど
バスケ部の子達がフォローしてくれたおかげで
なんとか勝つことができた。
私達の試合は終わり、
4人で尚人君の応援に行くことになった。
男子のコートに行くと
私達のクラスの試合には少し早かったみたいて
2年生の試合が行われていた。
ボールの弾む音が鳴り響く。
白熱したコート内。
その中で一層目を引く人がいた…。
力強いのにさも軽そうにボールを操る。
しなやかな動きでゴール目掛けて放たれたボールは───
入るのが当然かのように
綺麗に吸い込まれていった。
瞬間、鳴り響く試合終了のブザー。
「かっこいい…」
自分でも知らず知らずの内に呟いていた
仲間とハイタッチをする先輩。
最後に決まったゴールで先輩のチームが勝ったようだ。
胸がドキドキする…
優奈は彼から目が離せずにいた。