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A heart and wound

第6章 揺らぎ

翔Side

俺はその日夢を見た。

真っ白なただっ広い部屋に1人っきりで、俺はうずくまり、わんわんと子供のように声を上げて、泣いていた。

悲しくて、胸が痛くて、苦しくて。

なんで、こんなに泣いてるのかなんて分からなくて。

だけど、ただただ泣きたかった。

そのとき、

「泣かないで」

耳に、その声が届いた。

キョロキョロとあたりを見回しても、誰もいない。

翔「だ、誰…⁇」

聞き覚えのある声だった。

だけど、誰なのかは思い出せなくて。

翔「どこにいるの…?」

いつの間にか涙は止まっていた。

「俺は、ずっとあなたの傍にいるよ?…だから、ほら。泣かないで。」

頬に何か温かいものが触れた。

頬だけじゃなくて、体中が、何かに包まれてるように温かかった。

少しずつ、視界がクリアになる。

ずっと、1人だと思っていた俺は、誰かに抱きしめられていた。

温かくて…どこか懐かしかった。

翔「…誰、なの?…もしかして、ずっとここに…⁇」

「…言ったでしょ?ずっとあなたの傍にいる、って。…何があっても、俺はあなたを1人にはしない。俺は…」

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