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A heart and wound

第6章 揺らぎ

そこで、目が覚めた。

枕が少し濡れていた。

隣の雅紀はまだ寝ているようで、スヤスヤと寝息を立てていた。

俺は、さっきの夢のことを思い出していた。

…あれは、誰だったんだろう。

確かなのは、あの人の腕の中が、とても温かくて、心地がよかった、ということ。

…胸まで出かかってるんだけど…

もやもやするなぁ…

何気なく体を起こすと、倦怠感と腰痛に襲われた。

翔「…いっ⁉︎」

もう一度、体をベッドに沈めた。

…あれから。

…何回イッたか分からないくらい、俺らは、何度も、何度も求めて。

カラダがイカレそうな程、愛し合った。

…そのまま、シャワーを浴びることもなく眠りについたから、カラダがベタベタして、少し気持ち悪い。

…シャワー浴びに行こ。

バスルームに向かおうと、怠いカラダを起こそうとした瞬間、腕を引っ張られ、後ろからガッチリと抱きしめられた。

翔「っうわッ⁈」

雅「…しょ、ちゃん。どこ行くの…⁇」

翔「お、起しちゃった⁇」

雅「…んー…だいじょぶ。」

翔「ごめんね…寝てていいよ。…俺、シャワー浴びてくるから。」

雅「やだぁ…ここにいて⁇」

翔「…雅紀、寝ぼけてる⁇」

雅「ん?…ふふふふふ。」

…あ、完全に寝ぼけてる。

ていうか。

昨日、あのまま寝ちゃったから、もちろん、2人とも裸なわけで。

密着している肌が、なんとも言えず気持ち良くて。

…うーん。

このままじゃダメなことは分かってるんだけど。

ずっと、このままでいたいような。

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