
A heart and wound
第6章 揺らぎ
あれ以上…傷付いた顔、見たくなかった。
あれ以上、傷付けたくなかった…
気付かなかったら何をしてもいいって訳じゃない。
きっと…俺は今まで智くんのこと、沢山傷付けてきた。
温厚で、優しい智くんの、あんなに激しい感情を見たのは、初めてだった。
彼を…あんな風にしたのは、俺、なんだ…
にのが、そっと体を離して俺の顔を見た。
和「…翔さん、本当に大野さんの笑顔が、ずっと無理して作ってたものだったって思ってる⁇」
翔「…分からない…」
すごく曖昧な言葉。
だけど、それが今の正直な気持ちだった。
全部、無理して作ってた笑顔だった、なんて思いたくない。
だけど…智くんのさっきの傷付いた顔見たら…無理してたんじゃないかって、思ってしまう。
和「俺は、違うと思うよ⁇…まあ、確かに無理して笑ってたこともあっただろうけど。
…でも、そんなの皆そうじゃない?
無理して笑ったことない人なんているかなぁ?」
そういうと、にのは泣きそうな顔をして、俺の頬に手を添えた。
和「ねぇ…翔さん。…そんな顔をしないで。」
翔「…俺…どんな顔、してる?」
和「…傷付いてる顔、してる。
大野さんを傷付けてたって、自分を責めてるんでしょう?
責めることないよ、翔さんは。
…翔さんが、大野さんにどこまで話を聞いたのか知らないけど。
俺も…悪いから。
俺、知ってたから。
大野さんが、翔さんのことどれだけ想ってたか。
それに…」
翔「…セフレの、こと?」
そう問うと、にのは
和「聞いたんだ…」
と言った。
和「ごめん…俺が、もっと早く止めてればよかったんだ。」
そう言って、苦しそうに顔を歪めたにのを見て、自分が間違っていたことに気がついた。
…俺、分かってなかった。
あれ以上、傷付けたくなかった…
気付かなかったら何をしてもいいって訳じゃない。
きっと…俺は今まで智くんのこと、沢山傷付けてきた。
温厚で、優しい智くんの、あんなに激しい感情を見たのは、初めてだった。
彼を…あんな風にしたのは、俺、なんだ…
にのが、そっと体を離して俺の顔を見た。
和「…翔さん、本当に大野さんの笑顔が、ずっと無理して作ってたものだったって思ってる⁇」
翔「…分からない…」
すごく曖昧な言葉。
だけど、それが今の正直な気持ちだった。
全部、無理して作ってた笑顔だった、なんて思いたくない。
だけど…智くんのさっきの傷付いた顔見たら…無理してたんじゃないかって、思ってしまう。
和「俺は、違うと思うよ⁇…まあ、確かに無理して笑ってたこともあっただろうけど。
…でも、そんなの皆そうじゃない?
無理して笑ったことない人なんているかなぁ?」
そういうと、にのは泣きそうな顔をして、俺の頬に手を添えた。
和「ねぇ…翔さん。…そんな顔をしないで。」
翔「…俺…どんな顔、してる?」
和「…傷付いてる顔、してる。
大野さんを傷付けてたって、自分を責めてるんでしょう?
責めることないよ、翔さんは。
…翔さんが、大野さんにどこまで話を聞いたのか知らないけど。
俺も…悪いから。
俺、知ってたから。
大野さんが、翔さんのことどれだけ想ってたか。
それに…」
翔「…セフレの、こと?」
そう問うと、にのは
和「聞いたんだ…」
と言った。
和「ごめん…俺が、もっと早く止めてればよかったんだ。」
そう言って、苦しそうに顔を歪めたにのを見て、自分が間違っていたことに気がついた。
…俺、分かってなかった。
