A heart and wound
第6章 揺らぎ
雅紀Side
智「あーいばちゃん。なーに?話って⁇」
リーダーは笑顔で、駐車場にやってきた。
…きっとワザとだな。
分かっていても、まんまとイライラさせられてる自分に腹が立つ。
一呼吸置いて落ち着かせた。
…リーダーのペースになっちゃう。
雅「なーに、じゃないでしょ?
…分かってるでしょ。」
楽屋を出る際に、話がある、と駐車場に呼び出した。
雅「…とりあえず車乗って。
こんなとこじゃ話せないし。」
智「ん。分かった。」
そういうと、リーダーは助手席に乗り込んだ。
話し出すタイミングをうかがっていたが、先に話を切り出したのは、リーダーだった。
智「…間違ってたんだよ。」
雅「間違ってた…⁇」
智「好きになっちゃった時点で歯車は狂ってたのに、見ないふりしてここまで来たことが、間違いだったんだよ。」
…正直俺は、どうやってリーダーの鉄仮面を脱がせてやるか、考えてたもんだから。
リーダーの少し傷付いたような表情をみて、驚いていた。
智「…で?
話とやらはいいの?」
そう言うと、またニコッと笑った。
雅「…あ、あぁ…うん。
話ね、話…」
…また、リーダーのペースに引き込まれてた。
雅「めんどくさいから単刀直入に聞くけど…
リーダー、翔ちゃんに何したの⁇」
智「…気になる⁇」
そう言って、少し笑ったリーダーに苛立つ気持ちを堪え、深呼吸をした。
雅「…気にならなかったら聞かないでしょ。
もし…傷付けるようなことしたんだったら、本気で許さない。
…てかさ、今更何なわけ?
気持ちを伝えることを放棄したくせに、今更俺らを、翔ちゃんを掻き乱さないでくれよ…」