テキストサイズ

A heart and wound

第1章 想い

見慣れたバスルームに入りノズルをひねり、熱いシャワーを浴びた。

昨日の乱れた翔ちゃんを思い出して、思わず顔がにやけた。

…翔ちゃんとキスをする度に、抱き合う度に、このキモチは日に日に大きくなっていく。

好きになった頃よりも、付き合い始めた頃よりも、どんどん、どんどん。

大きなつぶらな瞳も、ぷるんとした唇も、髪も、指も頭のてっぺんから足の先まで、全てが愛おしい。

こんな、気持ちになるのは、翔ちゃんが初めてなんだ。

できることなら、翔ちゃんを部屋に閉じ込めて、どこも行かせたくない、誰とも会って欲しくない。

…こんなこと言ったら、引かれるかな?

翔ちゃんが、俺のことを好きでいてくれていることに、疑いはない。

…それでも、不安なんだ。

翔ちゃんは、まだあいつのこと、忘れられないんじゃないかって…

あーもう、やめやめ!

俺は、不安を掻き消すかのように、ノズルを目一杯までひねった。

雅「あっつぅ!!!」

…落ち着けよ、俺。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ