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闇夜に輝く

第10章 初シャンパン

楓さんはこうやって新人キャストの心を掴むのが上手い。
楓さんの様な売れっ子キャストになるとどうしても指名が被る事が多い。
なので、席を離れている間のヘルプキャストの働きが大切になる。
ヘルプの接客が悪いと、また席に戻った後に延長が取れない。最悪、怒って帰ってしまう客もいる。
普段からヘルプキャストにも気を配る事が出来ないとナンバー入りをキープする事は難しくなる。

今後咲さんは、楓さんのヘルプでついた時に他の席以上に頑張るだろう。

しかも、今回の楓さんの行動で一つわかったことがある。
それは咲さんがこの店で続けられると確信したからこそ、ボトルバックを譲ったということ。
すぐに辞めてしまいそうな子にまで楓さんがこんな事はしないはずだ。

そんな事を考えているとインカムが飛んできた。店前の優矢くんからだった。

「海斗さん、咲さんどんな感じ?そろそろ送りの車でるけど、次の便にします?」

「了解です。確認します」

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