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タバコとシャボン玉

第1章 プロローグ

大きく息を吸い込む。

フーッと、静かな音をたてると、白い煙が天井まで飛んで、消えた。



まるで、シャボン玉みたいに・・・



どうしてこんなものを、好き好んで吸うのかしら。
どうしてやめたくても、やめられないのかしら。

どうして、あの時自分の気持ちを・・・

私は、テーブルに置いてある灰皿でタバコの火を消した。

消したくて消したわけじゃない。
どうしても、消さなきゃいけないから消すの。

消さなきゃいけないもの。
消えて欲しくないもの。

窓辺に座りながら夜空を眺めて、あいつを思い出す。

あいつとの思い出は・・・どっちだろう?

消さなきゃいけないもの?
それとも・・・

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