
タケルと恭子の1224
第3章 22:00
無駄じゃないよ
俺は
そんな恭子ちゃん見れて
最高
そんな恭子ちゃんと
手をつないで
歩けて
最高
カフェで
恋人同士に見られたかも
なんて思うと
ほんとに
嬉しかったんだよ
と
タケルは
目で訴えた
「泣いて…いいよ?」
「やだ(笑)
もう吹っ切れたから
大丈夫っ!
なんか
逆に改まって
そんなこと言われたら
泣けないし〜(笑)」
「そ、そっか(苦笑)
ごめんね
でも
さっきは
びっくりしたんだよ
恭子ちゃん
急に泣いちゃうし
俺
恭子ちゃん泣いてんの
はじめてみたから…」
「……うん…」
恭子の
言葉少ない返事に
一転して
部屋は静まりかえり
電気ストーブの
小さな音だけが
部屋に、鳴り響いた
