
タケルと恭子の1224
第4章 23:00
「恭子ちゃん」
「ん?」
「そんなに辛いなら・・
そんな辛いんだったら
帰るのも・・」
「タケっ!」
聞きたくない
帰るのも
悪くないんじゃないかな
タケルの
言おうとしていることは
もう
恭子には分かっていた
だから
その言葉は
聞きたくないと
タケルの言葉を
遮ったのだ
あたし
帰らなきゃ
いけなくなっちゃうじゃん!
タケと
さよなら
しなきゃ
いけなくなっちゃうじゃん!!
タケの・・ばか・・
「な、なに?」
「ゆ、ゆき」
「え?」
「雪とか
降ってないかな~~~
とか
思って・・・。」
「え?雪?
急にどうしたの?」
「いいからいいから
ちょっと
外見てみよーよ」
田舎に帰りたいなんて
本気じゃない
本当に帰ってしまったら
大好きな
タケルに
もう
会えなくなって
しまうのだから
恭子は
こたつから
飛び出して
窓際で膝立ちになり
そっと
窓を開けた
