
タケルと恭子の1224
第4章 23:00
「タケ!
タケ早く来て!!」
タケルに
背中を向けたまま
恭子は
タケルに手招きをした
その行動に
タケルも
心躍らせながら
こたつから飛び出し
恭子の隣に
膝をついた
恭子と
タケルの顔の分だけ
開いた窓から
見えたのは
積りそうなほど
しんしんと降る雪
思わず
わぁ・・・
と言葉にすると
今までの会話を
忘れて
ポカンと口を開けたまま
2人は
外の景色に
見入っていた
恭子が
手を伸ばして
雪に触れようとすると
タケルも
同じように
手を伸ばした
2人の
手の平は
天を向き
空から舞い落ちる
雪をつかもうとした
そして
思った
つかもうとしているものは
雪なんかじゃない
離れたくなんか
ない
