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失くした恋の癒し方

第5章 恋の行方

定時になると、私は切りの良いところで仕事を終え、電車で谷原さんのアパートのある駅迄行った。


私の降りる駅よりも一駅先。


駅前のショッピングセンターで肉じゃがとサラダの食材を買った。


"お米あるかしら?取り敢えず買おうかな!"


恋人の為に食事を作るのが、こんなにも楽しいものだなんて知らなかった。



寺嶋さんには一度も作ってあげる機会は無かった…

人目に付かない小さな居酒屋で会って近くのホテルで身体を合わせる。

その空間だけが二人の全てだったから…



谷原さんの為に食事を作るのはまだ3回目なのに、美味しそうに食べてくれる笑顔を思い出しては、幸せな気持ちになってしまう。


缶ビールを数本買って、レジへ向かった。





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