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僕と娘の話

第10章 事件後の私たちの話

順くんから逃げるように大学の門を抜け

私の版画の教室に向かう

「おい。いつまで怒ってるんだよ里生」
しつこく付きまとう順くん

「いつまでついて来るんですか!!」
私の口調は荒くなる


「今日、何限で終わり?家まで送るよ」

「…さっき歩いて来てたじゃないですか…」
私は順くんとの距離をとりつつ言った

「里生がいたから声かけただけだよ。俺、今日車で来てるし」


そう言ったからには、私には拒否権はないのだろう…

順くんの車に乗るなんか何年ぶりか…
気分悪い


「で?何時終わり?」

私は、あからさまに嫌な顔をしながら答える
「…14時」

「分かった迎えにくるよ」

そう言って順くんは絵画棟の方に歩いて行った





私が順くんを嫌いな理由

順くんは私がはじめてキスをした男


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