僕と娘の話
第11章 会わせたくない男
カードキーをスキャンし
指紋を認証…ガチャ…ドアが開く
その光景も順くんは驚きながら見ていた
「ただいまー…」
ドアを開け玄関に入る
玄関には、見覚えのある
黒い革靴が整えられて置いてあった
お兄さん…帰って来てる…
「おいこれ…男物の靴じゃ」
順くんが靴を見つけて私に話しかける
その時
「早いね…帰って来たの?……あ、いらっしゃい…」
「お兄さんも早いですね!!」
お兄さん、驚いた顔してる
当たり前だよ…娘が男連れて来てるんだもん!!
私の嫌なことなど御構い無し順くんは家に上がる
「お邪魔します。初めまして鵠沼順と申します」
「え、あぁ里生の父です。どうも」
順くんは嘘くさい笑顔と礼儀正しい挨拶を交わす
「ちょっと…勝手に上がらないで…お茶飲んだら…順くん早く帰ってよね!!」
この男、本当に最悪!!