
齧りかけの林檎
第5章 ● 君の名前 ♀side
顔に似合わず、かわいいお願いをされ
またキュンとしてしまった。
わたしの年齢じゃ職務質問でも、彼の年齢じゃ補導なんだなーなんてくだらないことを考えていた。
少年、さっきは
ものすごく最低なことを考えてしまってごめんなさい。
お姉さん、今日はおいしいものをおごるよ。
こんなかわいらしいイケメンくんとごはんなんて
この先、一生ないかもしれないからね。
「わたしはこの近くの本屋で待っているから、
着替えてきていいよ。
立ち読みしてるから、
ゆっくり行っておいで」
