無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

はーい、と言いながら

土鍋の上にある鍋敷きを

小さなテーブルに置くと、



「ふー、重かったー」



と言いながら、

まだ少しだけぐつぐつと音のする土鍋を置いた。




彼女は、食器棚からお皿を出したくせに

テーブルには出していないことに気付いて

おれは立ち上がって

それを持ってきた。



「あ、ごめん！

　お鍋で一生懸命になってた！

　ありがとう」


「どういたしまして」




彼女を見ていたことが、

はじめて役に立った気がして、嬉しかった。