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齧りかけの林檎

第12章 ● 君とお鍋 ♂side




「じゃあ、行くよ?

 じゃーん!」



土鍋の蓋を取る。



そこには不恰好な、バレーボールのような形をした

大根おろしが乗ったお鍋。



バレーボールとわかるように、

細く切った海苔で

線が描いてあった。






「ああああぁ!

 火を止めてから置いたのに、

 少し崩れちゃってるー!」


と、悔しそうな顔をしている。




「もしかしてバレーボール?」


「そう、歩くんがバレー部って言ったから

 大根おろして作ってみたんだけど

 少し崩れちゃったー」






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