齧りかけの林檎
第4章 ● 待つ君の ♂side
もしかして、図書館の人も一緒にごはんに行くなんて言わないよね?
いつもあいつのことを目で追うのを見ると、イライラしていた。
あいつが、うまくいってしまうんではないかって。
あいつのことは一切見ないで近づき、
イライラしていることを悟られないように
なるべく冷静を装いながら
「おまたせ、行こ」
小さな手を掴んで、その場から離れた。
おれに引っ張られている彼女は
あいつに向かって、
「あ、ありがとうございました!またそのお話聞かせてください!おやすみなさい」
なんて言ってて、少しでも早くあいつから引き離したかった。
あいつの目に彼女を映したくなかったんだ。
我ながら
子供すぎる・・・・・。
【第4章 待つ君の ♂side END】