
齧りかけの林檎
第5章 ● 君の名前 ♀side
もうアラサーなんですーなんて、
毎度毎度レジで免許証を見せながら言っているから
さすがに慣れてきた。
「あー・・・
もしかして10代に見えた?
よく間違われるんだよねー。
お酒買う時とかも
いっつも年齢確認されるの」
若く見られるというのは嬉しい。
お酒を買うとき以外は。
今も目の前の高校生が
こんなに驚いた表情をしているんだから、
若く見られていたのだろうかと思うと
やっぱり嬉しいものだ。
それもこんなイケメンに。
ありがたや、ありがたや。
