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ドラクエらんど

第17章 選ばれしもの

あたしは早速、わざとれんじの腕にグイグイ胸を押し付けた。
ま、あんま胸ないけどw



「……離れろ」



れんじは足を止めてボソッと言った。



「え~だって暗くて怖いんだもん…」

「それなら家で待ってればいいだろ」

「やだ…家で一人で待つなんてもっと怖いよ…」



あたしはれんじの服をぎゅっと引っ張った。



「…しゃあねぇな。戦闘になったら少し離れろよ、危ないから」



れんじのため息が聞こえる。
でもあたしはニヤリと笑った。



「うん、ありがとう、れんじ!」


フフフ、いい感じ。



「…そういえば、大丈夫なのか? 夜は集団で魔物が襲ってくるんだろ?」



れんじが先頭を歩くナナシに向かって話しかけた。



それはねぇ…大丈夫なんだよ、れんじ♪
あたしは心の中でフフフと笑った。



あれはれんじを引きとめるための嘘なのw
ナナシに協力してもらったんだぁ。
ナナシのこと女だってばらさないかわりに、れんじとうまくいくように協力して!って。



だからこの辺りに出る魔物なんて大したことないんだよね。
森の奥に行かなければね…。



「……あっ……」



あたしはナナシが答えるよりも早く、足を止めた。


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