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ドラクエらんど

第17章 選ばれしもの

「どうした」

「……あっ、やだ……ちょっと……」



あたしは自分の背中を触る。



「ど、どうしよう、れんじ……今何かが服の中にっ……」

「…虫か?」

「わかんないっ……気持ち悪いよぉ」



あたしは身体をよじらせながら泣きそうな顔をした。
月明かりで、心配そうにあたしを見下ろすれんじの顔が見える。



「…お願い、取って💓」

『虫が入ったぴょん? どれどれ』

「!?」



──まずった。
この兎の存在忘れてたわ…。



『らん、ちょっとかがむぴょん』

「あ、やっ……な、なんかまた入ってきたぁ……お願い、れんじ! 今すぐ家に一緒に戻って取ってぇ!」



あたしは強引にれんじの腕を引っ張った。



ちょっと、ナナシ!
この兎なんとかしなさいよ!



「……れんじ。悪いが、らんを頼む。らんは虫に弱いんだ。オレたちも早めに戻るから」



やっとナナシからのフォロー。
これでれんじと二人っきりになれる💓



「…わかった。あんまり無理すんなよ。危険だと感じたらすぐに戻れ。うさ公、ナナシを頼むぞ」

『了解だぴょん!』



フフフ……
しっかり時間稼いでね、ナナシちゃん♪



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