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ドラクエらんど

第17章 選ばれしもの

家まで戻ると、あたしは泣きそうな顔をしながられんじの腕を掴んだ。



「…れんじ、お願いっ…」

「……」

「…虫がっ…この中にいるの…取って…」



あたしは吐息混じりに言うと、れんじの手を自分の胸に引き寄せた。



「………」



れんじは何も言わず、あたしの誘導に従って服の中に手を入れる。



「……んっ……」



れんじの手があたしの胸の先端に触れた。
あたしはわざと体をびくつかさせる。



ふふ……これで男は完璧スイッチ入る。
まさかノーブラだったなんて思わないしねっ。



「……れんじぃ……」



切なそうな顔をして、れんじの顔を見上げると……れんじはなぜか眉間にシワを寄せていた。



──なんで!?



「はぁ…もういいか?」



れんじは呆れた表情であたしから離れる。



なんで!?
なんで効かないの!?



「ちょ、ちょっと待ってよっ…本当に虫がっ…」

「悪いがお前の相手をしてる暇はない」



れんじは部屋を出ていこうとした。



ちょっとなに…あたしの演技に最初から気づいてたってわけ?
むっかつくぅぅぅぅぅぅ!



「待って…ねぇ、待っ……ゲホッ! ゲホゲホッ!」



あたしは突然咳き込んだ。
苦しくなってひざまずく。



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