
ドラクエらんど
第19章 ビッツの館 (後編)
YUIさんを締め付けていた根っこはバラバラと下に落ちる。
しかし身体が自由になっても、YUIさんはその場から動こうとしなかった。
「なにしてんだよ、早く逃げろっ!」
YUIさんは俯いたまま頭を左右に動かす。
「…ひなた、お前はアキラを連れて逃げるんだ」
「何を言ってるんだ…?」
「さっきの話を聞いただろう? 俺は両親を殺したビッツにずっと騙され続け、奴隷として生きてきた」
「……」
「だから今さら、ここを捨てて逃げるなんてできない…」
話し込む二人に、高麗人参の根が襲いかかる。
「ひなたくん、危ない!」
間一髪、ひなたくんはレイピアで根っこを斬り落とした。が、10秒も経たないうちに根っこは再生する。
「くっ……キリがねぇ!」
どんどんひなたくんとYUIさんの姿が根っこに囲まれ、見えなくなっていく。
「くそぉ…どうすればっ…!」
「…ァ……キ、ラ……さん……」
背後から月影の声が聞こえた。
振り返ると、月影がヨロヨロとこっちに歩いてきていた。
そうだ、まずは月影を回復しないと…!
僕は月影を回復する。
淡い光が月影を包み込む。
「ありがとうございます、闘志がみなぎってきました!」
しかし身体が自由になっても、YUIさんはその場から動こうとしなかった。
「なにしてんだよ、早く逃げろっ!」
YUIさんは俯いたまま頭を左右に動かす。
「…ひなた、お前はアキラを連れて逃げるんだ」
「何を言ってるんだ…?」
「さっきの話を聞いただろう? 俺は両親を殺したビッツにずっと騙され続け、奴隷として生きてきた」
「……」
「だから今さら、ここを捨てて逃げるなんてできない…」
話し込む二人に、高麗人参の根が襲いかかる。
「ひなたくん、危ない!」
間一髪、ひなたくんはレイピアで根っこを斬り落とした。が、10秒も経たないうちに根っこは再生する。
「くっ……キリがねぇ!」
どんどんひなたくんとYUIさんの姿が根っこに囲まれ、見えなくなっていく。
「くそぉ…どうすればっ…!」
「…ァ……キ、ラ……さん……」
背後から月影の声が聞こえた。
振り返ると、月影がヨロヨロとこっちに歩いてきていた。
そうだ、まずは月影を回復しないと…!
僕は月影を回復する。
淡い光が月影を包み込む。
「ありがとうございます、闘志がみなぎってきました!」
