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ドラクエらんど

第19章 ビッツの館 (後編)

「どうしたの、YUI」

「……あなたは魔物だったのですか?」

「…ああ、この姿? そうね、あなたにはずっと黙っていたけど、実はあたしは人間と魔物のハーフなの」



YUIさんは蠢くビッツの下半身をジッと見た。



「この根っこ…見覚えがあります」

「あら、幼い頃の記憶があるのね。そうね、あれはあなたが魔物に襲われていた時、あたしがこの根であなたを助けたのよ」



そう言うとビッツはニヤリと笑った。



「そう……そうじゃない」

「え?」

「俺が見たのは、両親がこの根に襲われて殺されてしまった時だ!」

「!」



その時、YUIさんは手に持っていた小型ナイフを振り上げて、ビッツの左目に突き刺さた。



「ぎゃあああああっ!!」



不意打ちをくらったビッツは、醜い叫び声をあげる。



「どうしてっ……どうして、YUIぃぃぃぃ!」



左目を押さえながら苦しむビッツ。
下半身の根っこがあちこちに伸びて暴れだした。



「YUIさん、危ない!!」



高麗人参の根っこがYUIさんの体を締め付ける。



「くっ…」



その根を、レイピアを持ったひなたくんがすかさず斬りこんだ。



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