ドラクエらんど
第23章 緊急ログアウト
ピッ……ピピピ……
……ピーピー……
どこからか電子音が聞こえてくる。
ここは……どこだ?
たしか僕はイステリア城の宿屋に泊まって……
熱を出して……
「はい、お疲れ様でした~」
「!」
誰かの声がすると同時に、急に目の前に眩しい光が飛び込んできた。
耳元ではプシュウ~と大きな音がする。
「大丈夫ですか? 立てますか?」
人影が僕に再び声をかける。
この声は……
「お疲れ様でした、久遠 明(くおん あきら)様」
「!」
その名前を聞いて、僕は全てを思い出した。
僕は、VRMMORPG(仮想大規模オンラインロールプレイングゲーム)の体験イベントに来ていたのだと──。