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ドラクエらんど

第23章 緊急ログアウト

「申し訳ございません、久遠様。本来なら一時間の体験コースでしたが、VR装置にエラーが発生したため、緊急ログアウトをさせていただきました」


僕はゴーグルを外すと、VR装置から外に出た。
周りには僕が入っていたのと同じカプセル型のVR装置がいくつかある。



「緊急ログアウトしたのは僕だけ?」

「そうですね、今のところは……」


その時、遠くのVR装置からエラー音が鳴り出した。



「わわっ、少々お待ち下さい!」



イベントのスタッフは慌ててそっちに走っていく。
僕は腕時計で時間を確認した。



「30分か……」


まだ30分しか経ってなかったんだ。
まあやさんたちとあんなに冒険したのに……。



僕は近くの鏡に写る自分の姿を見つめた。


たるんだ顔に、髪は後退気味の中年男が一人立っている。



そう──現実の僕は48歳だ。



さすがにこのままの姿だと抵抗があったので、ゲームの中ではアバターを20代の青年に設定した。



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