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ドラクエらんど

第23章 緊急ログアウト

ハッと周りを見ると、なぜかスタッフもヒイラギさんも僕を白い目で見ていた。


完全に誤解されている。


そして「ユメ」と名乗った少女はキラキラとした目を僕に向けていた。



「……はぁ、勝手にすれば……」

「わあい、パパ大好き!」

「……」


一体なんなんだ、このガキは。


何を考えてるんだ。


なぜ僕がこんな目に合わなきゃいけないんだ。


楽しみにしていたVRの体験イベントも中途半端に終わってしまうし、ついてない……。



「こちらの不手際でお二人様には大変ご迷惑をおかけしましたので、よろしければ残りの時間、こちらのVR体験をしていただこうと思います」


スタッフに案内された場所には『ファイナルファンタジー0(ゼロ)』と書かれたブースがあった。



「ファイナルファンタジー?」


ヒイラギさんが首を傾げる。


そういえばエリックスはスクウィーアと合併したんだったな。



「わあい、VR体験、ユメもやるぅ!」


「おい、ママとパパが心配するぞ」


僕はコソッとユメに耳打ちした。


「パパはいないから大丈夫! ママは彼氏とVR体験中だから、ユメずっと暇だったの!」

「……っ……」


ママは彼氏とって……

さすがに親としてそれはないんじゃないか?



「……ったく」


僕は結局、ユメとヒイラギさんとファイナルファンタジー0のVR体験をすることになった。



ユメのママに会ったら、一言言ってやるか……


そう思いながら、ゴーグルを装着して再びVR装置の中に入った。



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