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箱……弐

第2章 箱の中……延命

―――…あれから五年…



父と母は相変わらず―――…



変わった事と言えば―――…




紙オムツをやめて…



布オムツにした―――――…



お金の問題もあるが…




汚いとか…そう言う感情が…薄れてしまったからだと…



自分では感じている…





母も父も……オムツにはなれているから…





文句は言わない…





今年の冬は……寒さが厳しいと…ラジオで言っていた



五年前の冬も―――――…


寒かった…





「父さん…母さん…


今年の冬も…寒いらしいよ」






―――――…



暗い…老夫婦の寝室…




寝息も…年老いたのか……



静かすぎる……








私は、冬の夜……





通帳を広げて……ため息をつく…





年老いた家族三人の……







貯金額は―――――――…










来月の父の年金支給日まで…




ギリギリ―――――――…



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