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second girl【完】

第7章 泣き虫ピエロ

私は五郎に体を委ねながら、店の外に出た。



「大丈夫ですか?」



リナちゃんが小走りで、私達に近付いてきた。



「大丈夫!」



「今日はとことん騒ぎましょ」



リナちゃんが笑って、私の背中に手を回して「ね!」と言ってくれた。





年下のリナちゃんにまで気を使わせていると思うと、申し訳なく思ってしまう。

きっとこのまま、一緒にカラオケに行っても、気を使わせてしまうのは分かっているけど、どうしてもこのまま1人で部屋に帰る気にはなれなかった。




「じゃあ行くか!」



五郎がそう言って、カラオケへと行こうとした時。










「晶」









私達の後ろから声がした。


酔っ払っていても、頭がぼーっとしていても、聞き間違うはずがない。


この声に何度も名前を呼んで欲しいと、願っていたのだから…





私は振り返りその声の主を呼んだ。








「隆史…」






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