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第19章 痛みさえ疼きだして

(櫻井side)

ヤバい。
なんで、二宮くんが智のこと…。

しかもなんか関係を知ってる感じだっ…

もしかして…智と俺が浮気してた?

「二宮くんっ…」

俺は、コートと財布だけを持ってホテルを出た。


タクシーを拾い、駅のなかに駆け込み
急いで、新幹線に乗り込んだ。

今から戻ると深夜になってしまう。
二宮くんが起きている、という確信はない。

明日の仕事は、午後に見学のみ。
山田に頼めばいい。

相葉とか、智には悪いけど…。

座って、窓の外をみている俺に話しかけた人がいた。

「すいません、隣いいですか?」

顔をあげて、顔を合わす。

「えっ」
大「翔ちゃん…」

智だった。

「なんで…」
大「…他、行く」

立ち去ろうとする智の手首を掴んだ。

大「離して…」
「とりあえず、座れ」

引き込んで、隣に座らせた。

大「……ごめん」
「なんで、謝るの?」

大「俺、翔ちゃんに会いに来たらダメだと思ったのに…」

俯きながら辛そうな顔をした。

「いいよ」
大「え?」

「俺も智に会わない気でいたんだ」

大「じゃあどうして…俺に会うことを承諾したの?」

「わかんない。なんか頷いちゃた」

大「そっか…」

「てか、なんで智ここにいるの?」

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