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第19章 痛みさえ疼きだして

(大野side)

『智』

久々に呼ばれた。

嬉しかった。
大好きな翔ちゃんにまた名前を呼ばれるなんて…

これ以上、幸せなことはない。

櫻「智?」

「あ…俺、翔ちゃんに承諾されて…凄い嬉しかったんだ。また会えるって」

翔ちゃんは、俺を見て話を聞いてる。

「でも…それと同時に怖かった」

櫻「え?」

その瞬間窓の外が真っ暗になった。

トンネルに入ったんだ。

その窓に、俺の顔が映った。


俺……泣きそうな顔してる…。


櫻「怖かった?」

「うん…。翔ちゃんと会ったら自分がどうなっちゃうかわからなかったから」

俺の話を聞いていた翔ちゃんが声をあげて笑ったんだ。

「わ、笑わないでよ」

櫻「同じこと考えてた」

「えっ?」

腹を抱えて、笑ってる。

櫻「俺、恋人がいるんだ」
「二宮くん…だよね?」

翔ちゃんはすごい驚いてた。

櫻「あのさ…二宮くんも智のこと知ってたんだけど…」

「うん…いろいろあって…」

まさか、自分が二宮くんにドロップを売ったなんて言えない。

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