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第19章 痛みさえ疼きだして

(大野side)

櫻「嘘つくなよ」

「えっ?」

櫻「智が、嘘ついてることぐらいわかるんだよ。伊達に、恋人やってたわけじゃないんだから」

そうだった。
翔ちゃんは、俺の嘘を見抜くのが上手かったんだ。

櫻「教えて?なに言っても…俺は受け止めるから」

本当に受け止めてくれるの?

“俺のこと…嫌いにならない?”

なんて、考えてた。
違うよ、俺は翔ちゃんとの関係に踏ん切りをつけないといけないのに…。

まだ、復縁を望んでる。

そんな自分が腹立たしい。

櫻「教えて」

「無理…」

櫻「え?」

「翔ちゃんに…言えない…」

手のひらにボロボロと涙が落ちる。

櫻「智、大丈夫か?」

こんなこと、教えたくない。

想像の何倍も辛い現実なんて…
翔ちゃんに伝えることはできない。

俺も、

二宮くんも、

…翔ちゃんも、

それぞれが辛い想いをしてる。


そんな現実なんて…







無くなればいいのに。







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