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第4章 柔らかな痛みの中で

(二宮side)

大好きな、翔くんが側にいる。
それだけでも幸せ。

でも、戻ってきたのにはちゃんとした理由がある。

もちろん、翔くんとやり直すため。

櫻「二宮…くん」
「あれ?櫻井さん。どうしました?」
櫻「いや…なんか落ち着かなくて」

照れてるのか、うつむきながら首の後ろに手を回していた。

「えー?そんなに楽しみですか?」
櫻「あ、うん」
「くふふ、櫻井さんも、一緒に作りますか?」
櫻「え?俺、料理できないよ」

知ってますよ。

「大丈夫ですって」

一度、一緒にキッチンに立ってみたかったんだ。

櫻「で、でも…」
「櫻井さん、こっちこっち」

翔くんの手を引いて、隣に立たせる。

「ね?一緒に作りましょ?」
櫻「二宮くん…手…」

翔くんと繋ぎっぱの手をパッと離す。

「あ…ご、ごめんなさい…」

なんか、甘酸っぱいな…。

櫻「い、いや…別にいいんだけど…」

翔くんの顔が赤い。

「さ、櫻井さん…」
櫻「えっと…なに?」
「これ、切ってくれますか?」

翔くんに、包丁と玉ねぎを渡す。

櫻「わかった」

翔くんは、返事をして包丁を握った。

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